風の電話

音楽も効果音も演出さえも感じないすごい映画に出会った。
今は亡きあの人にたまらなく会いたい、会って話したい肌に触れたい。
人は誰もが皆その後悔を抱きながら生きていく。
しかし、その宿命がこんなに豊かな出会いに色どられるなら後悔も希望に昇華されていく。
この映画を観た人はだれしもが風の電話をかけるための旅に出かけたくなるだろう。

堀尾正明フリーキャスター

傷ついた少女の心が癒されていく過程を描いた「心のロードムービー」です。
あれだけひどい目にあってもやっぱり生きるって大切なことだ、とじわっと感じさせてくれます。

一色清教育コーディネーター

現実と虚構の狭間をゆく演出があぶり出すのは、急速に時代が上書きされていく中、
完全に置いてけぼりにされた人たちのヒリヒリとした心の痛み。
いつもながら諏訪作品は鋭く、深い。"

中山治美映画ジャーナリスト

ラストの10分を超える長回しは、日本映画界に名を刻むだろう。
モトーラ世理奈の心から湧き上がる感情は、瞬きする間も惜しいくらいだ。
震災から8年経った今だからえぐられる、真実のドキュメンタリーである。

有村昆映画コメンテーター

取り残されたままの深い悲しみに、身体中で触れることが出来、
何度も何度も泣きながら、最後まで一緒に旅をした気持ちです。
抑制された描き方に監督と俳優陣の底力を感じる作品。

加藤登紀子歌手

なぜ、ひとり、生き残ってしまったのか。
悲しんで、なにも考えられなくなって
けれど、虚空になった彼女の目には、
他人の悲しみが映るようになった。
なぜ、私たちは、生きているのか。
悲しんだその先、涙の中に淡く輝く光に
彼女は不器用に
けれど、確実に導いてくれるのだった。

KIKIさんモデル

当たり前の日常に感謝せずにはいられない。
ハルが叫ぶ声「ただいま」が胸をえぐられる。
ずっとずっと探していた日常。涙が止まらない。
横にいる子供達を無言で抱きしめた。

坂下千里子タレント

いつの日か自分にも大切な人を失う悲しみ、
絶望が訪れるのかもしれない…。
何度も過ぎ去る四季と共に、
愛しい人を待ち続けた嘆き。
忘れたくないあの声に会いに行くことで、
しおれかけた心の花に命が宿るのだろう。

雅姫モデル・デザイナー

不幸が過ぎ去り、生き残った者たちが、生き続ける痛みを語る。
一人の少女は語るべき言葉が見つからず、ただひたすら耳を傾ける。
長い旅路の末に少女は語るべき言葉を紡ぎだす。それは奇跡のように美しい。

内藤瑛亮映画監督

「風の電話」で、ハルの声を聞けてよかった。
「あの日」から置き去りにされ忘れられようとしてきたものに、
一人で直面してきたハルの、見てきたものを見るために、
その声を聞くために、いっしょに長い旅をした。

柴崎友香作家

あなたは天国の親族に何を伝えたいだろうか?
クライマックス、ヒロインのモトーラ世理奈が震災で犠牲になった母に向かって「風の電話」で話す10分間。
台本はない。芝居を超えて観る者の心に突き刺さるこの10分を見逃してはならない。

笠井信輔フリーアナウンサー

自然体でも、嘘でもない、カメラの前のみで起こり得るダイナミックな瞬間。
凄まじい濃度で凝縮された人生の断片の一つ一つが、モトーラ世理奈さんの輝きと共に深く心に刻まれました。

安川有果映画監督
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